ミックマック

winter『ミックマック』を観る。ジャン=ピエール・ジュネの『ロング・エンゲージメント』以来の新作。色温度の高い映像は健在であり、手の込んだフランス料理のように凝ったつくりとなっている。武器商人を懲らしめるという話の縦軸に、メタレベルで映画そのものを想起させるクライマックスの仕掛けを絡めて、横溢する映画愛は密度が濃い。役者もこれに応えて、見応えのある作品となっている。話自体はコミカルな語り口となっているので『デリカテッセン』あたりよりも口あたりがよく、どうかするとグロテスクにもなりかねない映像をそうとしない手際は円熟の域に達している感じ。秀作。