処刑山 デッドスノウ

morning『処刑山 デッドスノウ』を観る。ノルウェー産のゾンビ映画。雪山のロッジに遊びに来た医学生の男女が、言葉通りナチスの亡霊というべきゾンビの一団に追い回されて酷い目に会うという話で、アップテンポのペール=ギュント組曲で始まるつくりは、どことなくコミカルな印象もあるのだけれど、その曲にしてからが『山の魔王の王宮にて』という、本来恐ろしげなものなのだから結局のところスプラッタになるわけである。登場人物には映画好きのメンバーがいて、というあたりは『スクリーム』以来、この種の映画のお楽しみでもあるわけだが、そうしたキャラクタ設定にまつわる伏線は消化不良で、それぞれの持ち味は十分に活かされているとはいえず、脚本の出来はお世辞にもいいとは言えないが、全体としてはそれなりのパワーがあって観られる。つまるところゾンビ映画が好きなのであろうし、そのあたりにはシンパシーを覚えるものである。ただし、このゾンビは身体能力も高く、そもそも団体行動をしているので、ロメロの正系と認めるわけにはいかないのだが。