元・保護犬の「ごまお」がやってきてひと月と少し。すっかり群れにも馴染んで末っ子の先住犬とは特に仲がいい。相変わらず飯を食うのが速くて、欠食児童という言葉を思い出す。いったい、過去に何があったのだ。
おとなしい子だと思っていたのだけれど、どうやら家族以外には意外に強気である。来客には取り敢えず噛みつこうとする。通りがかりの小学生を噛み、ちょっとした騒動になったことすらあるのだが、群れを守る気概の表れとみえて叱る気になれない。かつて可愛がられたこともあったはずなのだけれど、一度は死の淵を覗くぐらいに痩せ細り糞尿にまみれてもどうにか生き残って、見つけた群れのためであれば、チワワだって勇敢になるのだろ。