殯の森 『殯の森』を観る。尾野真千子ファンとしては観ないわけにいかない映画だが、ざっくりとしたフレーミングの画面は少々、気が抜けている感じで特に前半はだるい。ゆらゆらと揺れる感じが好きでないのである。全体に素材重視といったつくりで、奈良の風土は映えているし、「三途の川」を越えてからの演出意図は明確で結末にも納得感が高い。結局は二人とも戻ってこないという風に考えれば物語は円環の構造をもっており、緑の森の奥行きはいよいよ深い。 共有:TwitterPrint