いよいよインフルエンザが流行し始めて、子供の中学でも学級閉鎖が始まっている。学級閉鎖といえば台風と同じくらいわくわくする非日常のイベントなのだけど、まぁ、いかにも不謹慎だ。一方で鳥インフルエンザが報じられていたりすると、ちょっと前に読んだ『首都感染』を思い出したりもする。高嶋哲夫のこの小説では世界で億人単位の人が強毒性の新型インフルエンザに罹患して死亡するのである。小説の舞台は題名の通り東京を中心としていて、描写もほぼ都内に限られており、たった一行でアメリカでの死者数百万人みたいな書き方になっていて、スケールが大きいんだか小さいんだかわからない書きぶりがいかにも高嶋哲夫という感じ。設定も多少、力業というところがあって、このあたりは粗にもみえるのだが、災害小説というのが好きなので細かいところはどうでもいい。やはり不謹慎なのである。