『インシディアス』を観る。ローズ=バーンの陰鬱な顔でホラーを撮りたいという制作サイドの気持ちはわからないでもない。とにかく陰気である。何かが憑いている。この夫がパトリック=ウィルソンで、この人もどうやら生来、神経質な顔つきだから、観ているだけで神経がささくれてくる。なかなか良くできているということかもしれない。
ゴーストハウスものかと思いきや、あっさり引越しを敢行する展開で、このあたりはちょっと新鮮。妙にコントラストのはっきりとした画面はちょっと前衛の雰囲気を漂わせており、描かれる恐怖そのものも何だかダリ的で、だがしかし話の方はいろいろとお約束を踏襲しており、そこそこ飽かずに観ることが出来る。監督は『SAW』のジェームズ=ワン。