イントルーダーズ

garden『イントルーダーズ』を観る。クライヴ=オーウェン主演。思春期の娘が夜ごと怯える黒い影、というような題材なのだけれど、ホラーともサスペンスともつかぬまま物語は進行する。監督は『28週後…』のフアン・カルロス=フレスナディージョで、織り交ぜられたスペイン語のパートはならではのものであり、スパニッシュホラーの雰囲気を色濃く漂わせてはいるのだけれど、全体にホラーの記号を散りばめながら、どのように使えばよいかが分かっていないという感じがしないでもない。はっきり言えば、雰囲気だけで制作に入ったはいいが、いろいろとテキトーであって辻褄があわず結局のところ投げ出したように見える。かなり残念な出来。いちばん怖いのは超高層の建築現場から作業員が落ちそうになるシーンなのだけれど、この恐怖は高所に由来するもので、サイコサスペンスの功績であるようには思われない。