エネミーオブUSA

snow『エネミーオブUSA』を観る。邦題は『エネミー・オブ・アメリカ』みたいだし、原題は『Echelon Conspiracy』だし、そのあたりで察しのつく内容そのままの映画で、『イーグル・アイ』を1990年代風に演出するとだいたいこんな感じになるのではあるまいか。そうはいってもバンコク、プラハ、モスクワのロケが入っていて、ドル安の昨今、珍しいじゃないかと思えば2009年の作品であり、もちろん本邦では劇場未公開だし、そもそもタイトルバックには『The Gift』という別の題名が流れるわ、何かと辛い境遇にあった映画みたい。多少、貧乏くさいところがあるにしても一応、エドワード=バーンズが主人公を助ける元FBIの役で出演していたりするので、B級の体裁は保っていると思うのである。もちろん、技術考証やら細かいツジツマのいろいろはハナから気にしないという前提で。DVDで観るくらいならそこそこ楽しめるという印象だが、物語のオチは懐かしい『ウォー・ゲーム』を想起させ、つまり1990年代どころか80年代初頭と同じ発想で一本、撮ってしまおうというところがある意味、すごい。