『クライムダウン』を観る。スコットランドの高地を舞台にしたイギリス製のサスペンスで偶然、誘拐被害者の少女を助けたパーティーが、犯人たちから理不尽な追跡を受けるという話。ネタからして小振りな話ではあるけれど時折、入る空撮は美しいもので、犯罪自体も何だか国際色があったりして、そこそこ力の入ったつくりとなっている。空撮がそれなりなのに、工夫のない画面の繋ぎ方でせっかくの地理的なスケール感を出し切れていないきらいはあるにして。追われる人たちにはプロファイルを想像させる材料がほとんど提供されておらず、このあたりも全体が妙に平板となる一因だと思われるのだが、イーモン=ウォーカーが演じる傭兵だけは見事にキャラが立っていて、この人だけでも長編が一本撮れそうな感じ。クライマックスはスコットランドの奇祭ベルテン・フェスティバルを背景に進行して、ちょっとした見所になっている。