コンテイジョン

yellow『コンテイジョン』を観る。スティーヴン=ソダーバーグがパニックサスペンスを監督するというだけでも興味を惹かれるし、何しろオールスターキャストなのである。その役者を実に惜しみなく使っていて、たとえば冒頭から登場するグウィネス=パルトローはびっくりするくらい大変な目にあっている。謎の病気が拡大を始めるDay 2からの描写は遅滞なく、描写は最小限だけれどきちんと説明が効いた演出も優れたもので106分があっという間。世界各地で感染がすすみ、しかし打つ手がないというあたりのスケール感は『WORLD WAR Z』を彷彿とさせて燃える。そして、妙な陰謀がなく、実に泥臭い現実であるあたりが素晴らしい。純粋なパニックものとして近年、稀にみる出来であり、採用している語り口は優れてユニークなものであって例により才気を感じさせる。これはいい映画。