『ダーク・フェアリー』を観る。ギレルモ=デル・トロが脚本を書いたダークファンタジーで、両親の離婚で情緒不安定な少女が父親のもとに引き取られ、ロードアイランドの古い洋館に棲みついた邪悪な妖精に恐ろしい目に遭わされるというストーリーだから、この分野ではいわばよくある話であり、因縁の解明とモンスターの登場というあたりが骨格には違いないが、そこはギレルモ=デル・トロであるから普通のハッピーエンドにはならない。
少女を助けようとする父親のガールフレンドの役をケイティ=ホームズが演じているのだけれど、整い過ぎた顔に以前はあった生命力のようなものが今はうすれていて、何だか苦労してそうだとどうでもいいことを考えてしまう。だがしかし、それがちょっと陰気な印象を醸していて、本編の暗い雰囲気には妙に合っている。
全体にひねりのないシンプルなストーリーで、因縁話のほうもいやにあっさりとしているうえ、ホラーというには大して怖くないのだけれど、定石は踏んでいるのでジャンル映画として楽しむ分にはそれほど悪くない。