『トロール・ハンター』を観る。ノルウェーの山中には伝説のトロールが徘徊しており、テリトリーから離脱したこれを秘密裏に排除して隠蔽工作をする政府の機関があって、クマの密猟についてドキュメンタリーを制作していた大学生が、ハンターを生業とする男に密着して怖い目に会う、いわゆるPOV形式の映画。ノルウェーの半島的な風景も楽しめるのだが、ホラー系のPOVと違ってもったいぶったところは少なく、トロールは速やかに登場して、その造形もなかなか力が入っている。『クローバーフィールド』に近い印象のある立ち回りあり、厭世的になっているハンターのキャラも立っているし、何より北欧世界観に立脚したトロールたちの生態が細部まで作り込まれていて、ディテールが想像力を喚起する。山トロールと森トロールの戦い! 送電線が対トロール防御というくだりにも震える。
世界の成り立ちに勝手に意味を付与していく展開にPOVの形式がうまいこと合っており、スケールの出し方も上手いので見どころが沢山あってクライマックスまでずいぶん盛り上げる。面白い。