『ニューイヤーズ・イブ』を観る。ゲイリー=マーシャルは最近『バレンタインデー』という似たようなオールスタームービーを撮っていたけれど、今回はタイトルの通り大晦日を舞台にタイムズスクエアで行われるボールドロップ周辺で交錯する人たちの想いの行方を描いた映画。とにかく豪華なキャストでそれぞれにエピソードが盛り込まれているので、118分にもかなり駆け足の印象があって、何かと慌ただしい。ジョン=ボン・ジョヴィが気持ち良さそうに歌ってキャサリン=ハイグルと絡んでいたりするわけである。大人になりかけという感じのアビゲイル=ブレスリンとか、恰幅がよくなりつつあるザック=エフロンとか、瀕死の入院患者を演じるロバート=デ・ニーロとか、役者が豪華なわりに演出にはそれほどの工夫が見られないというのが残念なところだけれど、それぞれの話が深夜にかけてどう繋がっていくのかというのが見どころにはなっている。おとぎ話のような予定的調和に落ち着くのだけれど、もちろん、それを楽しむための映画ではある。