『パーフェクト・センス』を観る。「五感が消えていく」と惹句にはあるが、冷静に考えると触覚は残っている。それは措くとして。状況からは、もちろん『白い闇』を想起するわけだが、あれよりもかなり叙情的でパニック映画としての体裁は希薄である。ディザスター好きとしては、そこが残念なところでもあるのだが、語り手がエヴァ=グリーンなので雰囲気は悪くない。感染症の学者という設定だが、ほぼ何の仕事もしていないところはどうかと思うにして。『アイ・アム・レジェンド』のウィル=スミスだってもう少し真剣に危機に立ち向かっていたと思うのである。