ファミリー・ツリー

snowing『ファミリー・ツリー』を観る。ジョージ=クルーニーはクリント=イーストウッドと同じくらいハズレがなく、それはもう奇跡のようなものだと思うのだけれど、ハワイを舞台にしたこの映画は、事故により昏睡状態に陥った妻との別れと家族の事情という縦軸に、土地独特の空気と人々の距離感がうまいこと絡めてあって、非常に質の高いドラマになっている。監督は『サイドウェイ』のアレクサンダー=ペインで、チョイ役にすら存在感の漂ううまさは、そういえばあれともダブる雰囲気があるのだけれど、ストーリーを織り成す題材や土地の空気感のようなものは、ロマンスの要素こそないものの、傑作『エリザベスタウン』を彷彿とさせ、ある種のリスペクトすら感じさせる。あの印象的な姉を演じたジュディ=グリアまで出演しているのである。面白い。