『ホノカアボーイ』を観る。岡田将生というひとのことはよく知らない。のんびりした坊やがハワイで自分探しという話で、近藤史恵の『ホテル・ピーベリー』を思い出したのだが、似たような雰囲気もあるけれど、系統としては邦画に一派を形成している『カモメ食堂』的な例のアレに連なるもので、人は死ぬけれど、もちろん殺人事件は起こらない。個性的なキャラクターが口を開けば気の利いたことを言うので疲れるといえば疲れるにして、ゆるゆるとしたハワイの雰囲気と人情の機微をぼーっと眺めるには悪くない感じ。よくよく考えると若造が図に乗ってずうずうしいとか、そういう風には思ってはイケナイのであろう。
倍賞千恵子とか喜味こいしとか、渋めのキャスティングが奏功している。蒼井優と深津絵里もクレジットされているけれど、ほぼ友情出演であって本筋には絡まない。