『モンスター上司』を観る。職場の上司がそれぞれトンデモない嫌なやつという主人公三人組が、いろいろあって交換殺人の準備を始めることになるというブラックコメディだが、何かと中途半端なのでそれほど深刻な話にはならない。
見どころは上司陣の豪華キャスティングで、ケヴィン=スペイシーとジェニファー=アニストン、コリン=ファレルが楽しそうに黒い役を演じている。この人たちに比べれば主人公側のギャラは十分の一程度と思われ、そう考えると僅かに感情移入も出来ようというものだが、標準タイプと暴れん坊、エキセントリックの組み合わせで定型を踏んだキャラクター構成であるにもかかわらず、このトリオはちっとも魅力的に見えてこない。犯罪の指南役で登場するジェイミー=フォックスはワンシーンでもそれなりにキャラが立っているあたりをみれば、どうやらオーラの問題で、狂言回しであっても主演にあらずという感じ。たとえば『ハングオーバー』はこのあたりが決定的に違う。ストーリー自体も相当にしょうもないものであって、笑どころは少ない。