『探偵はBARにいる』を観る。ススキノ探偵シリーズといえば1990年代も始めころの初出だし、何だか懐かしいという気持ちが先に立つ訳だけれど、北海道といえば大泉洋、この人の演じる探偵は、しかしそれ自体なかなかよくて、何かと愉快な前半から尻上がりにハードボイルドな雰囲気を高めるクライマックスまでテンションを維持しており、125分を長いと感じない。
今さら地上げ絡みの殺人事件というアナクロっぷりも素敵だが、それがイマイチ垢抜けないススキノの風情に奉仕するところとなって独特の雰囲気を醸し出しており、画面の貧乏臭さが妙に居心地のよいことになっている。圧倒的に邦画のオーラを放ちながら、やたらと面白いというのが立派。
松田龍平の高田も素晴らしいキャラの立ち方で、早々にシリーズ2作目の制作が決まったのにも納得したのである。