生物学上の発見

ごく小さなことではあるが、こうした事柄は記述されないがゆえに定見とならないという一般的傾向を踏まえて敢えて記す。
うちのチワワのごまおは、ちょっと太りじしである上に散歩嫌いで、どうにか連れ出してもその場で仁王立ちとなって、テコでも動かんという姿勢を示すことが多い。多頭飼いの都合として、その他大勢の歩調に合わせるなら、推定5キロの、チワワとしてはだいぶ大柄な体躯を脇に抱えて移動ということになるわけである。その他チワワの進軍が止まるたび、地面に降ろして存分に匂いを嗅ぐということはするのだが、ある地点を過ぎるまでは自分で歩こうということをしない。それが散歩の半ばを過ぎて、これから帰り道だというあたりとなると、俄かに歩調を速めるということを発見した。
つまりあれだ。犬にも帰巣本能があって、家の位置を把握しているという、これは生物学上の発見なのである。名犬ラッシーとは多少、ケースが異なるとはいえ、立派だねえ。
そして保護犬のごまおが、家に居着いていることを考えると、何だかほんわかとするわけである。