『4:44 地球最期の日』を観る。明日の午前4時44分、人類の滅亡が不可避ということが分かっている状況で、ウィレム=デフォーがどのように振る舞うかというのが題材の話なのだが、タイトルの思わせぶりな様子とスケール感から期待されるような物語では全くない。演出のトーンは前衛劇のそれであり、世界の終焉は舞台の暗転をもって表現されるといった案配で、だいたいアル=ゴアの映像が引用される一方で、地球温暖化ではなくオゾン層の破壊が終末をもたらすということらしいのだから、まぁ、雰囲気だけといえば雰囲気だけなのである。そんなわけで全体としては当方の趣味には全く合わないのだけれど、ウィレム=デフォーは活き活きとした感じで演じていて、そういえばこうした新劇調の演技が好きそうだと思ったことである。正直、ついていくのは難しい。