『アナザー プラネット』を観る。突如として第二の地球が頭上に出現した世界で、許されない過ちを犯した女性が贖罪の生活を続けながら「アナザーアース」に旅立つことを夢見る、というちょっと不思議な映画。ブラッドベリか、いわゆる24年組あたりの古き良き少女漫画か、という雰囲気が設定にはあるのだけれど、頭上に地球が浮かんでいる素晴らしい画面があるのに詩情のほうは今ひとつというところにとどまっているので、ただのインディーズっぽさからは抜けきれてない。まぁ、インディーズなんですけど。
どうしてもう一つの地球が出現しなければならなかったのかという物語上の必然性というのもかなり判りにくくて、さらに結末にかけての物語的な展開については実のところ未だに咀嚼できずにいる。つまり一体、何が言いたかったのか? ある種のドッペルゲンガーものとして捉えることも可能だが、たとえばそれが終わるセカイを表現しているのだとすれば、それなりの描き方というものがあるはずだと思うのである。
結局のところ、いかにもサンダンスっぽい映画であって、こうした予定調和感についていえば全くつまらない。