『永遠の僕たち』を観る。デニス=ホッパーによく似ているけれど異様に年若い息子、ヘンリー=ホッパーが主演で、加瀬亮も重要な役柄で出演している。両親の死を乗り越えずにいる青年が余命短い少女と出会い3ヶ月を過ごすという物語で、よくあるといえばよくある話ではあるものの、投入されたアイテムがうまく消化されていて奥行きがあり、それぞれの繋がりがいいので印象は悪くない。ガス=ヴァン・サントという監督は余韻のある結末に物語を寄せていくのが上手である。ヒロインのミア=ワシコウスカは髪を短く切ってボーイッシュになっているものの、『キッズ・オールライト』のジョニを演じていた彼女で今後もキャリアを広げそうな感じ。セリフも気の利いたものであり、総じて脚本の出来はいい。全編から立ち昇るのは大島弓子風の気配で、好きな向きにはお勧めできる。