ポリティカルコメディ
『アイアン・スカイ』を観る。月の裏側に逃れたナチスの残党が帰還を企てるという設定からハードSFの道を歩むという選択肢もあったろうけれど、ナチス側の人たちがドラマを展開するとあってはもちろんコメディになるしかない。それも体裁としては政治内情ものであって、全く意想外のそのことに驚く。こういう話であったか。つまり、『ナチスドイツNYに行く』という話で、いろいろとレトロな感じが悪くないにして。
美術はなかなかのもの
もちろん、科学考証などという言葉はそもそも関係ない種類の話なのだけれど一応、地球襲来は描かれているし、ツェッペリン型の宇宙空母などというシビれるものもあったりして、視覚的には満足感が高い。後半はマーヴェルの映画みたいなことになっている。
製作国はフィンランド・ドイツ・オーストラリアなのだけれど、これくらいのCGがもはやハリウッドだけのものではないとすれば、邦画ももう少し頑張れるというものであろう。