『アレクサンドリア』を観る。レイチェル=ワイズがアレクサンドリアのヒュパティアを演じた歴史もので、製作国はスペインだけれど英語劇という珍しい作り。ヒュパティアの最後として伝えられる無残なエピソードはついぞ描かれることはないけれど、知の衰退、ユダヤ排斥の斜面を下る127分であり、特に原始キリスト教の非寛容についてはフランコ独裁下の教会を想起させるスペインならではの語り口で奥行きがある。それなりに凝ったCGが用いられており美術セットも力の入ったものなので、大河的な画面に白々しさはないけれど、残念ながら画質自体はSDのそれであって、このあたりもスペイン製作であるが故だとすれば、ちょっと勿体ない感じ。