エージェント・マロリー

『エージェント・マロリー』を観る。ビッグネームを集めて映画を撮ることが基本的に好きなのであろう。スティーヴン=ソダーバーグの俗っぽさは画面にまで滲み出ているような気がするのだけれど、決して嫌いではない。ヒロインのジーナ=カラーノというひとは総合格闘技のスターなのだそうである。キャサリン=ゼタ・ジョーンズに似た雰囲気を発する瞬間があって、監督の趣味も知れる。
主人公の設定が民間軍事企業のエージェントとなっていて、ちょっと渋いと思ったら、脚本は『イギリスから来た男』のレム=ドブスであり、そういえば同じようなハードボイルドなオーラが漂っていて、根が単純な話を複雑な構成でみせる手口も同様でなかなかよく出来ている。よくよく考えるとツジツマの部分はよくわからないまま放り出されているのだけれど、ストーリーをきれいに通すということはそもそも考えられておらず、エスピオナージュ調の雰囲気が重要というスタンスなのであって、その前提では楽しめる。

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