『オカルト』を観る。2008年の邦画で、いわゆるフェイクドキュメンタリーの手法によるホラー。お金のかかっていない雰囲気を漂わせつつ、無差別殺傷事件の記録フィルムが関係者の奇行と超常現象によってずぶずぶと支配されていくあたりが結構、面白い。黒沢清が趣味の神代文字の研究を開陳するという設定で登場して鹿爪らしい顔で語っている。このあたりから話は急速に理に落ちる展開を見せ、しかし『ブレアウィッチ』みたいに放り出すような感じよりもこちらの好みには合っている。終盤にかけて開き直ったフィクションになっているバランス感覚も悪くない。