『クロニクル』を観る。『キャリー』と『クローバーフィールド』を足し合わせたような雰囲気だと思えば大きく外れていない。今やめずらしくないPOVの体裁ではあるものの、いわゆるサイコキネシスによってカメラは自在なアングルから撮影が可能という仕掛けで制約というものがあまりなく、防犯カメラの映像まで援用されて、よくよく考えれば編集の主体は誰なのかといういつもの疑問は残るのだけれど表現としては面白い効果もあって悪くない。低予算だという話になっているけれど、てらてらとしたCGは望むべくもないにしてミニチュア感のある特撮表現はそんなに悪くなく、結構、派手に暴れているので大作にも負けない盛り上がりがあって、評判が良かったのも不思議はない感じ。キャラクターはだいぶ類型的ではあるけれど、細々としたお約束を外さないのもジャンル映画的には重要だと思うのである。