今年最初の怪獣映画
『グラバーズ』を観る。2011年の作品なのだけれど、映像と音楽は古き良きイギリス映画の伝統のそのまま、しかし宇宙から飛来した怪生物との戦いを題材にしているあたりが目新しい。 『ザ・グリード』風のナマコみたいなエイリアンに愉快なオーケストラの効果音が被る感じを想像していただきたい。
舞台はアイルランドの孤島なので スケールはささやかなものだけれど、ジャンル的にはSFホラーにコメディが入っていて、物語の後半は登場人物がほぼ酔っぱらっている。だがしかし、ホラーの部分では古風な特撮調の生首が飛んだりする。話の山場は住民が皆で呑んだくれるあたり。
『アタック・ザ・ブロック』と似ていて異なる
最近観た映画では『アタック・ザ・ブロック』と実はよく似た構造をもった設定でありながら、イギリス本国ではあの調子にシリアスになる一方、アイルランドに舞台を移すと酔っ払いの話になるというあたりが面白くもシャレにならない。
とはいえ、全体としてよく出来てはおり、B級映画の範疇だとしてもそれなりの見映えはあって見苦しいところは何もない。モンスター襲来映画の勘所を抑えた作りでやるべきことがよくわかっているのは立派だと思うのである。