ジャッジ・ドレッド

『ジャッジ・ドレッド』を観る。1995年のスタローン版ではなく、カール=アーバンが主役を演じた最近の3D版で、おそらく原作のコミックに忠実たらんとした結果として、そうはいっても二枚目の範疇に入るであろうカール=アーバンの露出は無精髭の目立つアゴ周りだけという状況で役回りとしては声優と大差なく、『ロボコップ』におけるピーター=ウェラーを上回る。
話の方はつまり『ザ・レイド』と同じだし、さらにいうなら一応は人間であるはずのジャッジ・ドレッドその人自体、どうにもロボコップにしか見えないのだけれど、ディストピア近未来ものとしては水準作であって、可もなく不可もなし。それより、三権分立に挑戦するかのようなジャッジ・ドレッドの原作コミックが、イギリスのものだと知ってそのことに動揺する。
1995年のスタローン版の映画を観たことがあるとして遠く忘却の彼方にあってなにひとつ思い出すことはできないのだけれど、少なくとも特定俳優をフィーチャーしたものでない一点で、それよりはいい出来といえるのではあるまいか。

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