『ソハの地下水道』を観る。ポーランドで地下水道の修理を生業としているソハが、ゲットーから逃れたユダヤ人の一団を匿ってこれを助けた実話をもとにしている。ワイダの『地下水道』もポーランドだったけれど、こちらはレジスタンスの話ではない。
ユダヤ人狩りの大混乱のなかで、最初は金を要求したソハが、徐々に変化していくというのが映画的な面白みであり、回心の話であり、その構造自体は『シンドラーのリスト』とそう変わらないと思うけれど、何しろ14ヶ月もの間、地下水道、つまり下水道に潜伏した集団の話を扱っているから画面だって相当、暗いし、出産に至る事情まであっていろいろ生々しい。
興味深いのは製作がドイツとポーランドの合作であることで、もちろん歴史認識というものとの向き合い方は一通りである必要はないと思ったことである。