テラビシアにかける橋

『テラビシアにかける橋』を観る。同名の児童文学が原作で、ファンタジーっぽいパッケージではあるけれど、逃避世界ものであっていろいろ甘くない。結末は綺麗に収まらなくて、何だか妙な具合にブラックな感じになっているのだけれど、おそらくもう少し河や橋の象徴性が表現されるべきで、もとよりディズニー風のわかりやすい演出に馴染む内容ではないのではあるまいか。そもそもディズニー流の価値観には、ヴァージニアの片田舎の父権的抑圧という複雑なシロモノを解釈する用意がないその結果として、人生の苦難が金銭的な欠乏でしか表現できていないあたり、まことに貧しいとしかいいようがない。
もともとズーイー=デシャネルが出演しているから観たようなものだけれど、ちょいとヒッピーなエドマンズ先生の役柄は似合いとはいえ、その魅力が前面に出てくるほどの出番はなくて、いろいろ残念なことになっている。

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