ハンガー・ゲーム

『ハンガー・ゲーム』を観る。もともとがティーン向けとはいえ、累計7,000万部とかいう小説をもとにしているという話だからそれなりに期待はしていたのだけれど、典型的な生き残りゲームの話で何も捻ったところがなくちょっと面食らう。それどころか、最大の見どころはサバイバルの参加者がアメリカンアイドル風のテレビ番組でお約束の受け答えをするところだったりするので、いくらなんでもいろいろどうかと思うのである。これは風刺のつもりなのだろうか。
ジェニファー=ローレンスは名作『ウィンターズ・ボーン』で本作冒頭のシチュエーションに重なる役を演じているだけに、何だかくらくらしてしまう。
無理に誉めるところを探そうにも、『トワイライト』の一作目だって少なくともこれよりはマシだったし、管理社会ものとしての背骨がないので、いろいろ設定があったとして世界観というものが立ち上がってこない。無論、そんなものはないというのが正解なので、つまりは無いものねだりとはいえ。

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