『最高の人生のはじめ方』を観る。『小説家を見つけたら』あるいは『ワンダー・ボーイズ』の類型に入る映画で、書かなくなった小説家が若者との交流のなかで意欲を取り戻すというお話。モーガン=フリーマンの主演で、邦題はヒット作『最高の人生の見つけ方』をそのままなぞろうという酷さだけれど、劇場未公開ながらこれはこれで悪くない。小説家の出てくる映画が好きである。
冒頭の10分で状況を説明する脚本は教科書通りといってもよい手際の良さで、実のところあまり期待していなかったのだけれど、それだけでもちょっとうれしくなってしまったのである。基本に忠実というのは悪くないし、ほとんど事件の起きない108分だけど飽きないというのはやはり評価しなければならない。