『BRICK』を観る。ジョセフ=ゴードン・レヴィットが売れっ子になる以前、ハイスクールの生徒を演じた学園もののミステリー。体裁はミステリーなのだけれど、ある意味でファンタジーでもあって、登場人物はほぼ高校生という設定にもかかわらず、総じて過剰にハードボイルドなキャラクターとして描かれ、こんな高校生がいるはずないという感覚の一方、妙なリアリティがあって何故か全体にはキャラが立っている。この映画は以前にも観たことがあるのだけれど、やはり本邦の法月綸太郎『密閉教室』を強く想起させて、しかしあまり例を見ない雰囲気ではあり、監督・脚本をものにしたライアン=ジョンソンという人はちょっとユニークな個性なんじゃないかと思う。本作もサンダンス映画祭では話題となったとかいう話で、ジョセフ=ゴードン・レヴィットにとっても出世作といえるのではないか。
そして、ルーカス=ハースといえば『刑事ジョン・ブック』で目撃者となったかつての可憐な子役なのだけれど、歳月は誰の身にも降り積もり、本作では杖をついた怪しい黒幕、しかしこれまた高校生という役回りで、もちろん役者的には美味しい役柄には違いなく、こちらとしても見どころが沢山あって嬉しい。