少し前のフィナンシャル・タイムズに、プーチンは経済と不正に蓄財した自分のカネを心配すべきという身も蓋もない、読みようによっては脅迫じみた記事があったけれど、クリミア戦争のときと同様に、金融市場へのアクセスを制約されないという別の見方には、現実の奥行きというものが窺えてさもありなんと思うことしきり。帝政の自壊を促すのは暴力ではなく戦費の負担ということであれば、封じ込めではなく、むしろ経済の枠の中に絡めとろうというのが老獪な判断というものであって、このあたりのリアリズムではやはり英国の方が一枚上手という気がする。