『スノーピアサー』を観る。ボン=ジュノがフランスのコミックを原作にした映画でソン=ガンホも出演はしているけれど、主演はクリス=エヴァンスで、ティルダ=スウィントンが頓狂な役柄で出ていたりする。凍りついた地球を階層社会と閉鎖生態系を載せた列車が疾走し、そのなかで反乱が起こるという設定は元来『銀河鉄道999』と同じくらい[1]意味不明といえようが、もちろんこれは「宇宙船地球号」の伝であって、最後尾からの地獄巡りはフランス的にブラックな寓話となっている。ストーリーもハリウッド標準よりちょっとやり過ぎなところがあって面白い。ディストピアものとしてはかなり優れており、さすがボン=ジュノという感じ。

[1]直接は関係ないのだけれど、原作はその『999』に影響されているところがあるのではないかと感じさせるクライマックスではある