『ノア 約束の舟』を観る。『レスラー』のダーレン=アロノフスキー監督がメジャーになる前から温めていた企画だったらしいけれど、この題材をそれらしく映像化するには無論、大金が必要で、『ブラック・スワン』での成功を待つ必要があったみたい。見るところ『2012』あたりのレンダリングも使われていて、良くも悪くも2010年代に現出した聖書映画となっている。何しろノアの三人の息子で妻を伴っているのはセムだけで、どうもすべての人類の始祖になろうという気はないようだと思ったら、妙なところで辻褄をあわせようと唐突に赤ん坊が生まれたりする。葛藤のあれこれは妙に現代的で、ダーレン=アロノフスキーその人もどうやら敬虔なわけではないから話はややこしい。後半のあれこれは超展開というべきではないか。なんだこれ。