『ラスト、コーション』を観る。アン=リーの映画だけれど日本では官能方面が理由でR-18のレーティングとなっていて、トニー=レオンと当時、新進のタン=ウェイが主演だけれど、確かに役者も大変だという感が強い。チャン=アイリンの原作がそうなのかも知れないけれど、抗日運動を題材にしているわりに荒事は最小限で後景化してそれがかえってクライマックスの無残を際立たせている。アン=リーは『ブロークバック・マウンテン』の後にこの映画を撮っているので当然の出来といえるかもしれないけれど、ゼロ年代の半ばを過ぎ中国の隆盛とともに中国語の映画がここに到達していると思えば感慨も深い。