『ワールド・ウォー Z』を観る。原作の方は何度か読み返しているけれど、ブラッド=ピットによるこの映画は以前、映画館で観て、再び観るほどの価値はないという評価に留まっていた。いや、その見立て自体は現在でも変わってはいないのだけれど、何しろ人類が滅亡の淵に立たされる話はこのところ貴重だし、そもそも既にして細かいところを忘れているので、新鮮な感じで楽しめるのではないかと思ったのである。もちろん、そんなわけはない。
2時間を切る尺に『WWZ』を詰め込もうというのに無理があるのは当然として、にもかかわらず不要と思われるシーンが多いのは驚くほどである。先行作品に習うのであれば、冒頭の寝室のシーンからゾンビが登場してしかるべきという状況で、結局のところエルサレムのパート以外に観るべきイメージがないというのは以前と同じ。