世界が終わってしまったあとの世界で

引き続き『世界が終わってしまったあとの世界で』を読んでいる。この小説は文体がやたらと饒舌で、そのうえ支離滅裂な終わってしまったあとの世界を描いているので読書の進行は遅々として、ようやく下巻。時々、感心するくらいもったいぶった語り口が混ざるのだけれど(訳者の黒原敏行さんは立派な仕事をしている)作者のニック=カーウェイはジョン=ル・カレの子息という情報を仕込んで理由はないのに腑に落ちている。