めったに読まない種類の本だが、日曜日にうだうだしているときには最適と思いつつ『壇蜜日記』を読む。芸能界で働いている人の日常とはいいながら、文章世界は猫と熱帯魚と一緒に暮らしているマンションと近くのコンビニでほぼ完結し、固有名詞や商品名の一切が慎重に言い換えられてそのままでは登場しない書きぶりは不思議な浮遊感を醸し出して、生きていくのも何かと辛いという風な内容ではあっても同時に当人の芯の強さは疑いようもなく窺え、それら全てが相俟って33歳の生活と意見に何がしかの味わいのようなものを滲ませている。なかなかおもしろい。