『大統領の執事の涙』を観る。『プレシャス』のリー=ダニエルズ監督が歴代の大統領に仕えたホワイトハウスの黒人執事の人生を題材に描いた年代記で、その子供たちの人生を絡めながら場面をうまくつないで厚みのある話にしている。主人公セシル=ゲインズの妻の役でオプラ=ウィンフリーが出演しているのもあるだろうけれど、カメオ的に出演している役者陣は豪華だし、歴史的イベントを追う物語にはいろいろと見どころがあって、特に奥行きがあるというわけでもないのだけれど132分が長くない。
奥行きがないというのに悪気があるわけではないのだけれど、ミズーリ州の事件後の現在のアメリカの状況を踏まえた現実の文脈におくのは難しい内容だと思うのである。