『白ゆき姫殺人事件』を観る。珍しく新作の邦画を観ているわけだが、中村義洋監督だからというわけでもなくて、諏訪圏フィルムコミッションが協力して地元の茅野が主要な舞台となっているからに他ならない。井上真央が駆け抜ける駅のあたりは日常的に利用しているので、映画体験としてはいつもと変わった感じがあって楽しい。その井上真央が地味で目立たないと云われる女の役、というのも今ひとつ納得がいかないわけだけど。
絵にしづらいと思われる地方都市の町並みだが、夜間撮影をうまく使いながらそれなりの画面にしているのは大したものである。
劇中、Twitterが小道具として使われており、アカウントを検索してみるとそのままのtweetが残っていたりしてなかなか芸が細かい。ミステリとしてはいかにも湊かなえ原作という感じの水準作だと思うけれど、なかなか楽しめたのである。