「赤ちゃんが乗っています」ステッカーというのがあって、既に日本では独自の進化を遂げて文化の一形態となっているという感じがあるけれど、もともとは事故があったときに救助が確実に行われるようにするためのステッカーだという説明まであるらしくてちょっと驚く。普通に考えて、そんな効用が期待できるとは思えない。
自分のなかの理解では、いわゆるHigh-occupancy vehicle laneを利用するときに規定の人数が搭乗していることをアピールするための用途なので、そもそもそんな制度の存在しない日本では物好きな装飾以上の意味はないと思っていたのだけれど、この件について交わされる議論と考察に斯様な説はついぞ見かけないので、この民俗学的な藪の中にあって、己が確信もただの珍説に過ぎないのではないかと揺らいでいる。