FLU 運命の36時間

『FLU 運命の36時間』を観る。鳥インフルエンザのパンデミックを題材にした韓国映画。パニックもの好きであれば、よく知らない素性のものであっても手を出してしまうのがサガというものだけれど、あけてみれば最近の韓国製の映画が押し並べてそうであるように、エンターテイメントとしての線は抑えてあってそこそこ観られる。まず、H5N1型鳥インフルエンザといっているわり、どうやらエボラ出血熱風の症状で吐血までするというあたりが立派。いやはや。
パンデミックといいつつ、ドラマの主軸は封じ込めキャンプを中心とした政府対住民のあれこれであり、ここに米軍が絡んで例によって悪役を割り当てられ、ちょっと『28週後…』みたいな印象があると思ったらBGMはほぼパクリという感じで、ぐだぐだと地味な話を展開されるよりはよいというものだが、こうした映画の常として、主人公およびその周辺の感染予防は甚だ心許ないにもかかわらず、アクションの前に問答無用という流れのなかでうやむやとなってしまうあたりが気になるといえば気になる。登場人物は誰もちょっと極端な韓国風で、特に学者と政治家は類型そのものといった作りなのだけれど、お約束ではあって、もとより複雑な人間模様を求める映画ではない。

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