LIFE!

『LIFE!』を観る。現代においても未だ刊行を続けている空想上のLIFE誌を題材にして『虹を掴む男』をリメイクした本作は、その着想の妙もさることながら、表現は自在で、映像はLIFE的にあくまで雄大で美しく色彩は豊かで、ダイアログには奥行きがありメッセージは明確で、音楽の趣味もよいという、言うことなしの映画に仕上がっている。交わされる会話に力を与えているのは、人と人の関係に限って荒唐無稽さを排除している作り手の良識とそのセンスのよさだろうし、美術も優秀で、LIFE誌の編集部は1972年以降、あったかもしれないカバーベージで彩られており、見どころとなっている。傑作。
ベン=スティラーの監督作品では『トロピック・サンダー』にも感心したものだが、役者としての当人を好ましく思ったのはもしかしたら初めてかもしれない。デヴィット=ボウイの”Space Oddity”の使い方もちょっとよくて、いろいろ好感度が高い。

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