『だれもがクジラを愛している。』を観る。1980年代の終わり、アラスカの氷に閉じ込められたクジラの親子の救出劇を描いた映画で、ドリュー=バリモアがグリーンピースの闘士、ジョン=クラシンスキーがアラスカのテレビ記者を演じ、それぞれ役柄によく嵌っている。2012年の映画だけど80年代の雰囲気がよく出ている一方でクジラのCGはそれなりに手の込んだものであり、意外に丁寧な作りになっている。エンドクレジットに当時の実際の映像が流れるけれど、人々の狂騒も含めて概ね実話をなぞっている様子で、言葉通り事実は小説より奇なり。
ドリュー=バリモアを久しぶりに見たような気がするけれど少し若返ったような気さえして楽しそうだし、ジョン=クラシンスキーのいい人キャラも立っている。全体に素材の処理がうまいので自然保護とは何かを自問しつつあまり悩まずに観ることができる。最後はソビエトに花を持たせるところも立派。