『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』を観る。うまい副題が付いているものだから、誰だって『スピーシーズ』を想起すると思うけれど、ああいう俗っぽいエイリアンではなく、思い切りシュールとアヴァンギャルドのほうに振ってあるので大方の予想は大きく裏切られることになる。少なくともスカーレット=ヨハンソンがほぼ全編において出演しているのは事実であるし、どこか古風な侵略ものの気配があると思えば許せないほどではないにして、画面がとにかく暗いのはどうなのか。監督のジョナサン=グレイザーはミュージックビデオ系の人らしく映画の方法には無頓着で独り善がりなゲージツの雰囲気があり、わかりやすさもないのでいろいろ辛いのだけれど、エイリアンが女性の姿形で何かとヌードになろうというところばかりが『スピーシーズ』と重なってくるのは一応、変奏のつもりなのだろうか。