『インターステラー』を観る。予備知識を入れないようにしていたおかげで、世界の設定がだんだんと明らかになってくるあたりまでをかなり楽しむことが出来た。こういう話は好きである。
ジェイムズ=ディプトリー・ジュニアの『故郷から10000光年』を思い出し、しかし時空を扱いながら映像的には、小説にある奥行きに及んでいない感じはあって、そのあたりの演出力ではアルフォンソ=キュアロンのほうが数段上ではあるまいかとは思うけれど、やたらと長い尺をとくかく飽きさせないという点でクリストファー=ノーランは立派な仕事をしている。
そもそもストーリーは無茶すぎる線にあるし、マシュー=マコノヒーとアン=ハサウェイという組み合わせにもリアリティがなくて、実は細かいところで説得力を削ぐ噛み合わせが多い気がするのだけれど、いろいろ大目に見ようという気にさせるのも確かであり、微妙にシャマラン映画に通じる印象があるのもトウモロコシ畑がでてくるからというだけではないと思う。大風呂敷を広げようという意気は買うほうである。
マット=デイモンはちょっと肉付きがよくなっていて見違えた。本作に通じるところもある『火星の人』の映画化ではマーク=ワトニーを演じるという話もあるけれど、シェイプアップがだいぶ必要な感じ。