『インフェクション/感染』を観る。中東で使用された生物兵器が世界を滅ぼそうという時間帯に錯綜するいくつかの人間模様という好みの設定で、大作ではないけれど見知った役者の名前がキャスティングされているので微妙に期待感は高まる。マイナーとB級の間に線を引くのはやはり役者の名前であって、ハリウッドのブランドの力は斯くの如く作用する。そして本作は地味といえば地味な展開ながら雰囲気は悪くない。
この群像劇の主要キャストのひとりにジョシュ=ハートネットがいて、えらく久しぶりという気がしたけれど、何となくキャリアの曲がり角にあるのではないかという気がしなくもない。売れなくなった小説家という本作での役回りが、ソマリアで民兵相手に戦っているのとさして違うように見えないのが弱みであろう。